photo by miki moromugi

SHIROISHI MUNICIPAL NO.2 ELEMENTARY SCHOOL

白石市立白石第二小学校

建築:architecture WORKSHOP / 北山恒・太田憲治・山口孝典

   (共同設計)芦原太郎建築事務所

構造:構造計画プラス・ワン

設備:郷設計研究所

施工:安藤建設・平間組建設共同企業体

 


 

既存の校舎はのんびりとした平屋の連棟形式で、中庭には菜園が設けられていた。この既存の空間構造を転写するように教室群をスタディした。

地図上で見ると、学校は都市のなかで白く残された大きな空地である。が、塀で囲われ通常はなかに入ることを禁じられている。
ここでは、小学校そのものを地域社会に開かれた広場のようなものにしようと考えている。

photo by nobuaki nakagawa

この小学校は東北地方の小都市の旧市街からはずれた新しく住宅地区となったエリアにある。日本の小学校は文部省の決める学校教育法によってプログラムは細かく規定されているが、諸室の関係性を組み替えることで制度から開放された新しい小学校のプログラムをつくろうとした。地域に開放することでコミュニティセンターの機能をもつ諸室と教室群に分類した。教室の空間を仕切る壁は四周とも可動のものとしてあり、隣の教室とは可動パーティションを開けることで共同授業をおこなうことも可能である。この空間は子供達や先生を拘束するものではなく、使い手側が創造力をもって能動的に空間に働きかければさまざまな可能性が引き出せるものとして計画している。

(北山 恒)

photo by shinkenchiku

通常は同じ教室で過ごすことの多い小学校の生徒にとって、移動は特別な時間である。この小学校では移動距離が長くとられている。その移動の行程に様々な経験ができるように動線が配置されている。

photo by nobuaki nakagawa

小学校建築のなかで最も大空間となる体育館を昇降口と連続させ巨大なエントランスホールとなるように配置してある。子供達は毎日の登下校の際にこのホールを通る。いつも放課後には子供達が集まり広場のように使用されている。昇降ステージを上げ、背後の可動スクリーンを閉じると劇場のような空間に変質する。

photo by nobuaki nakagawa

 

 

教室群は全て平屋で1クラスの単位ごとに方形の屋根をもち、空間としてクラスという集合のまとまりを与えている。この教室の空間を仕切る壁は四周とも可動のものとしてある。

 

教室に接続する広い廊下状の多目的室側と教室と教室にはさまれた中庭側は透明なガラスの建具となっている。隣の教室とは可動パーテションを開けることで共同授業をおこなうことも可能である。

photo by nobuaki nakagawa

所在地  宮城県白石市

用途   小学校

 

敷地面積 23,917m2

建築面積   7,334.16m2

延床面積   8,822.78m2

階数   地上2階 

構造   鉄筋コンクリート造+鉄骨造

竣工   1996年8月

 

日本建築学会作品選奨
建築業協会賞(BCS賞)
第17回建築学会東北建築賞作品賞
(社)文教施設協会協会賞

 

掲載   文教施設13 2004/春
     JIAマガジン 建築家 2003/07
     作品選集 1998
     建築業協会賞 作品集  
     建設産業新聞 1997/05/30
     教育と施設 56 1997/春号
     日経アーキテクチュア 1994/04/11, 1996/10/21, 1997/02/17
     建築文化 1994/07, 1996/11
     新建築 1996/11
     SD 1996/01
     建設通信新聞 1995/12/21, 1997/06/02
     日経デザイン 1995/11
     TOTO通信 1995/09-10  
     GA JAPAN 20  

     EDUCATION AND CULTURE LINKS International, Spain  
     建築グルメマップ3 [ 北海道・東北編 ] 北海道・東北を歩こう! / エクスナレッジ 2002  
     エスキスシリーズ1 アクティビティを設計せよ! 小嶋一浩編著 / 彰国社 2000  
     建築設計資料67 学校2 / 建築資料研究社 1998