photo by JR Chuo Line Mall
CHUO LINE HOUSE KOGANEI -L-
建築:architecture WORKSHOP / 北山恒・江島史華・諸橋奈緒(NAO建築事務所)(ドミトリー)・友杉明香(食堂)
構造:構造計画プラス・ワン
設備:設備計画
照明:岡安泉照明設計事務所
家具:藤森泰司アトリエ
テキスタイル:安東陽子デザイン
サイン:廣村デザイン事務所
植栽:ランドスキップ
施工:サンヨーホームズ MARUEI
中央ラインハウスL棟
プロジェクトの初め、長さ350mに渡る高架下の敷地を3つに分けてどこを担当するか調整する会議があった。その時に交差点を含む真ん中の敷地が複雑性の高いプログラムになる予感がしてそこを選んだ。計画の進展の過程で、そこにホールや食堂などが設けられることになり当初の想定した運びになった。
インフラ下のインフラのように
中央線という都市インフラの高架下に、遮音のために宙に浮くコンクリートスラブを二次的なインフラとして設け、その上をテラス、スラブ下にプログラムを配置するといイメージから始めた。コンクリートスラブは小径型鋼の架構体で持ち上げている。
高架下はネガティブな住環境だ。居住期間が限られる学生だから成立するプログラムなので、学生たちが住みたくなる魅力を与えることを検討した。まずは賃料を安くするため、決められた敷地のなかにできるだけ多くの居室を設ける検討をした。その最小限の居室は動作寸法から追いかけるとラトゥーレットの僧房とほぼ同じ広さになった。10室でコモンのダイニング、キッチン、ランドリー、ライブラリーデスクを共有するユニットとしたが、このくらいのコミュニティスケールが最も人間関係を良好にする。それを共有するエントランスコートを挟んで反転するように2棟配置し、合計で20名の学生が緩やかな共同性をもって拡大家族のように生活することを想定している。
ホールと食堂は地域社会に開かれるパブリックな空間性能を与えたいと考えて透明性の高い空間とした。ここでも宙に浮くコンクリートスラブを設け、小径型鋼を等間隔に設けた架構体のなかに、自律したコンクリートブロックの壁を挿入して客席とバックヤードを区画している。
コンクリートスラブの上のテラスは実現できなかったが、高架というインフラの下に人の活動を支えるインフラのような建築が現れている。
(北山恒)
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諸橋奈緒(NAO建築事務所)
ドミトリー部分
断面図
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平面図(左:1階 右:2階)
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所在地 東京都小金井市
主要用途 [L1]ホール・[L2]食堂・[L3][L4]ドミトリー
敷地面積 [L1]144.69m2 [L2]364.08m2[L3]167.81m2 [L4]169.41m2
建築面積 [L1]44.61m2 [L2]196.19m2 [L3]95.19m2 [L4]95.55m2
延床面積 [L1]44.61m2 [L2]196.19m2 [L3]178.11m2 [L4]178.71m2
階数 [L1] [L2]地上1階 [L3][L4]地上2階
構造 鉄骨造
設計期間 2019年2月~2019年6月
施工期間 2019年7月~2020年3月
掲載 新建築2020年8月号
日経アーキテクチュア 2020/7/23