この建築はそれぞれ独立して仕事をしているデザイナーとイラストレイターがそれぞれのアトリエをもつという住居で、ガランとした仕事場の一部が住まいになればよいというものであった。計画地は昔からの密集住宅地のなかにあり、前面道路は狭く、敷地内に既存の地下室があったために地耐力を確保できる部分が限られていた。そのわずかな部分に巨大な本箱のようなコンクリートの構造体を設け、この躯体に水平力をすべて預けて軽量の鉄骨を抱かせるように架構体を組み立てている。隣地私道の木々を望む西側に光りや風を取り込むガラスケースの階段室を設け、東側のコンクリートの構造体には設備や収納を設けている。その間の挟まれた不定型な残りの空間がアトリエと生活の場になっている。

（北山 恒）

所在地　　東京都

用途　　　住宅＋アトリエ

敷地面積　 67.90m2

建築面積　 46.29m2

延床面積　156.26m2

階数　　　地上3階　

構造　　　鉄筋コンクリート造＋一部鉄骨造

竣工　　　2005年7月

掲載　日経アーキテクチュア 2007/5/14
　　　12 Architects, 12 Projects DETAIL JAPAN 2006/10 別冊
　　　Design Living 2006/spring
　　　新建築住宅特集 2006/01