猿楽町ハウス

建築：architecture WORKSHOP / 工藤徹・北山恒

構造：構造計画プラス・ワン

設備：ピロティ

施工：辰

計画地は、代官山駅から渋谷に抜ける通りを裏手に入り、落ち着いた住宅地でありながら小さなレストランなどの商業施設が混在するエリアにある。建物は3層で、1階はレストランや店舗など地域に開かれた施設、2階はメンバーシップが使うオフィスなどの用途、3階はプライベートな住宅を想定している。1階はパブリック、2階はコモン、3階はプライベートである。

photo by DAICI ANO

住居系の地域であるために、建ぺい率、容積率とも低く抑えられており、事業用の建物として最大の効率を求められる一方、容積外の余剰の空間が多く生じる。

軒下のパブリックな散策路やバリアフリー動線、ゆったりとした外部階段、渋谷の高層ビル群を臨む大きなテラスなど、この余剰を豊かな外部空間として建物を取り巻くように計画した。軒下の杉板張り、通りに面する大きなサインボードや隣地境界塀、手すり子などを木質系のルーバーとして仕上げを統一し、歩行者からの視線に配慮した。