photo by DAICI ANO
Kobuchi Apartment
建築:architecture WORKSHOP / 工藤徹・北山恒・渡邉真弓
構造:江尻建築構造設計事務所
設備:環境エンジニアリング
施工:宍戸工務店
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オーナー家族6人の専用住宅と複数の貸家からなる大きな家のような建築である。
敷地は都心部から離れた郊外で、周辺には畑や空地があってやや散漫な密度で建築物が建ち、都心部と異なり空を広く感じる開放的な雰囲気がある。
その一方で駅や国道へのアクセスが容易で、敷地の3方向を道路に囲まれているなど外部要素が混入しやすい都市的な状況がある。
この郊外に特徴のある少し緩んだ空気感と都市的な緊張感というふたつの状況が混合していることを手掛かりに、効率や利便性を持った都市的な集合住宅の方法論に加え、集合すると家族概念が拡張していくような開放的な提案ができないかと考えた。
全部で4層の建築は、基壇となる鉄筋コンクリート造の賃貸住宅の上に鉄骨造のオーナー住宅が積み重なり、その中間にパブリックな機能を持つピロティが持ち上がっている。
ここには住人全員が自由にアクセスできる広場がある。裸足で遊んだり、ハンモックで休んだり、本を読んだり、キャッチボールもできる。
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野球をするオーナーの住宅のラウンジを繋げると半屋外の祝賀会場にもなり、貸家も繋げるとさらに大きなパーティースペースにもなる。
この庭のようなフロアが建築全体にとってのリビングスペースのようになっている。
駐車場から直接アクセスできる貸家は多様な集合形態に対応できるように、4つの50㎡の基本ユニットの組み合わせは自由で200㎡の住宅にまで拡張することができる。
友人とシェアをしたり、夫婦や家族で住んだり、SOHOとしたり、寮のようにもできる。
いくつかの可変性を持ったクラスターである家族がそれぞれ互いに独立しながらも、お互いを排除することなく自由に全体に混じりあうことができ、
さらに異なる構成要素が現れる時にも同時に共存できる緩い状態になっていること。この場所にある、この大きな家のような建築をそのための架け橋とした。
(工藤徹)
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所在地 神奈川県相模原市
用途 共同住宅
敷地面積 238.43m2
建築面積 122.08m2
延床面積 443.56m2
階数 地上4階
構造 RC造+S造
竣工 2006年3月
掲載 新建築 2006年8月号
TITLE 2007年8月号