photo by DAICI ANO

HARAJUKU TW BUILDING

HARAJUKU TW BUILDING

建築:architecture WORKSHOP / 北山恒・江島史華 + 山下真平建築設計事務所 / 山下真平

構造:江尻構造建築設計事務所

設備:団設備設計事務所

施工:辰


 

モード(流行)に影響を受けないインフラ(基盤構造)のような建築

駅前の再開発が進む原宿。表参道の坂道の入口にある三角形の小公園に面して、テナントビルを建設する機会を得た。一昨年手掛けた、「キャピタル原宿(2015)」(話題の電子タバコ「iQUOSアイコス」の旗艦店が入る)の、ちょうど1区画駅寄りに、ほとんど同じ規模の建物を建てるという計画である。建て主からの要望は「時代を超えていくようなオーセンティックな建物を」とのことであった。時がたって廃れるものではなく、スタンダードな時間の経過に耐えうるようなものにしてほしいという願いである。

 周辺は、若い女性や、海外からの観光客もかなり往来する繁華な通りだが、モード(流行)に影響を受けないインフラ(基盤構造)のような建築にしようと考えた。

 

photo by DAICI ANO

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「キャピタル原宿」は、1階をRC造、上層階を鉄骨造とし、そして全体を100φの鋼管で組んだ巨大なスペースフレームのような構造体とした。一方、「原宿TWビル」は、エレベーターコアと階段コアをRC躯体として、この2本の巨大柱で持たせている。1階は、正面側の通りや、こんもりとした木々を持つ小公園と一体となるように、5m近い天井高のガラスファサードとした。サッシは、溶融メッキ鋼板のハードな素材を採用している。また最上階の5階も、遠くの明治神宮、代々木公園の森の緑を存分に眺められるよう、抜け感の良い高い天井高にした。

 

一方、2-4階は、目の前が緑豊かな小公園のため、2.5mくらいの通常の高さとし、既成のアルミサッシで対応している。1フロア、1テナントを想定はしているが、「キャピタル原宿」でも行ったように、2階の床を一部抜けるようにしてあるため、2フロアを1テナントで確保することも可能である。

 

 ダイナミックに変わりゆく都市空間の中で、主張するのではない、インフラのように風景を支える建物が要求される時代に入っている、と考えている。

 

(山下 真平)

 

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所在地  東京都渋谷区神宮前

用途   テナントビル(店舗)

 

敷地面積 78.93m2

建築面積 70.07m2

延床面積 402.55m2

階数   地下1階 地上5階 

構造   鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造

 

竣工   2017年9月