鎌倉のリノベーション/ 音楽ホール付シェアハウス

建築：architecture WORKSHOP / 北山恒・諸橋奈緒

構造：江尻建築構造設計事務所

設備：団設備設計事務所

施工：前川建設

photo by architecture WORKSHOP

音楽ホールを媒介としたシェアハウス

演奏家のオーナーと4人の住人のための木造2階建て家屋のリノベーション計画である。計画地は、4年程前に設計した「鎌倉のスタジオ付住居」の隣地、空き家であった当家屋を購入し、1階を音楽ホールとパーティキッチン付きのホワイエ、2階をシェアタイプの住宅とすることにした。

家屋は築40年の木造住宅。音楽ホールとなる1階は外壁をほぼ取り払い適宜筋交いを入れ、透明なガラス張りとした。庭の豊かな自然と連続し、隣地の「鎌倉のスタジオ付住居」のガラス嵌め殺しのファサードとも繋がるようにしている。間仕切り壁を取り払った大きな空間で、必要に応じて建具で空間を仕切ることができるようにしている。

ステージ部分は、柱を一部撤去し、土間をコンクリート床まで下げ、天井の仕上げを外して3mの天高を確保した。それ以外の部分は既存柱をすべて残した。林立する既存柱は林の中から演奏を見ているような雰囲気をつくり、演奏を聴いている人々にとっての拠り所となっている。既存の型ガラス、ガラスブロック、そして縦格子付きの階段などの旧い建築エレメント残して時間の重なりを示している。