2007
メコンデルタの運河を走る船の中で、山本理顕さんが俄然元気に動き回っている。いったいどこまで続くのか、真っ直ぐな運河は幅員が30mほどもある。
2006
雑誌の集合住宅特集というのが組まれていても、そこで紹介されている集合住宅のほとんどは東京都市圏のものだ。東京という都市が大きく再編されていく中で、人々が集まって住むという方法も変化している。
2002
1960年代初頭から70年代初めにかけて、ロンドンから奇妙な不定期刊のテレグラムが発送されていた。“ARCHIGRAM”と名付けられたこの薄手の雑誌はアメリカの大衆漫画のようでもあり、当時、世界中を熱狂させたロンドン発のポップ・ミュージックのLPジャケットのようでもあった。
2001
建築とはまだこの世界に実在しない空間の組成を構想することである。構想された空間の組成が現実に立ち現れるとき、それは寸法や質料をもった実体となる。実体となった空間の組成は身体を持った人間が経験できるものである。
1999
人の住まう場にこうでなくてはならない、といった決まりはない。また人の住まいに最良の解は存在しない。
住宅の設計は依頼者との対話から始まる。まだこの世界に現前していない空間についての対話であるから、それは依頼者と設計者のイメージの交換である。